風力発電12月の発電量と年間発電量の関係
2018年、明けましておめでとうございます。
これから風力発電を始める人にとって年間の発電量データは、気になるところだと思います。
実は当社でも丸一年間通しての発電量の実態は、掴めていません。
しかし、2017年2月に連系した風力発電Aをはじめ、他にも最近連系した風力発電の発電実績により、その関係が分かってきましたのでご報告します。
まずは、風力発電Aの年間グラフをご覧ください。
以上は、2017年の月ごとの発電量のグラフです。全体的に冬に風速が高く、発電量が多く、夏に風速が低くと発電量が少ないのが分かります。
この場所の平均風速は、4.2m/s。年間の発電量は、約35,000kwhでした。売電金額にして、およそ200万円です。ほぼ、メーカーが示す平均風速と発電量のグラフ通りであったと思います。
このグラフで見ますと、やはり風力発電の理想は平均風速6m/s以上の場所であると分かりますね。
他の場所も見てみましょう。2017年9月に連系した風力発電Bです。
この風力発電Bは、2017年11月の発電量は、8193kwhでした。
12月は、もっと発電すると予測しておりましたが、結果の発電量は若干少なくなりました。7,975kwhでした。
果たして、11月の平均風速5.24m/sよりも12月の平均風速7.78m/sのほうが強い風なのに何故でしょうか?それは、発電量は回転数RPMによるからです。確かに回転数RPMを11月と12月で比較すると若干少なくなっています。その違いが発電量に現れています。では、何故12月は平均風速が高いのに回転数が落ちているのかといいますと、極端に風が強い日には、強風モードになり回転数を抑えるからなんですね。これは、システムが安全に機能していることを示しています。ですので、風速が強ければ強いほど発電するとは言えないのですね。
強風モードについてはこちら
それがひとつのポイントです。冬の月間発電量の限界が8,000kwhくらいということ。それでも、月間発電量8,000kwh程度あれば、月売電金額は、47万円程度。事業としては十分だと思います。
さて、ついでにもう一箇所2017年11月に連系したばかりの風力発電Cも見てみましょう。
12月の発電量にだけ見てみますと合計発電量は、8,299kwh。平均風速が5m/s台でも回転数RPMが70程度あれば、この程度の発電量は期待できます。
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発電量の考察まとめ
風力発電Aにより、年間を通してみると、やはり冬に発電しても夏にはあまり発電しないと分かります。そして、この場所は年間平均風速4.2m/sとあまり良い条件とは言えませんでした。結果、年間発電量は35,000kwh程度でした。ちなみにこの場所の12月の発電量は、6,124kwhでした。逆算すると年間の発電量は、12月の発電量の約5.7倍です。
一方で、風力発電Bと風力発電Cの12月の月間発電量は8,000kwhでしたから、この値がほぼ限界発電量と考え、これらを年間発電量に換算すると45,000kwh程度の発電量が期待できるという計算になります。
もし、風力発電の土地選びで、一年間の風況調査を待てない場合は、このように冬のひと月の風況を調査すれば、年間発電量に換算して予測する方法もあるのではないかと思います。