土地付き分譲小形風力発電で気を付けたいこと
最近、土地付き分譲小形風力発電に関するトラブルが増えています。土地付き分譲太陽光発電でもこうしたトラブルはありましたが、土地付き分譲風力発電の購入者は、更に注意しなければならない点があります。
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先にお金を払ったが、工事が行われない
原因は、さまざまです。施工業者がそのお金を他のことに使いまわしてしまうというのが、最悪のケースです。その他に風車の調達ができないということもあります。メーカーによって販売代理店は限られているため、購入できる窓口は限定的です。実際に風車を生産する工場も順番待ちのため、すぐに材料は調達できません。また、施工業者が限られているというのも原因となります。各メーカーの認定を受けた施工業者でないと施工できません。なぜなら、その後の定期的なメンテナンスもできないと風車の20年間の発電が保証されないからです。土地付き分譲風力発電を購入される場合には、相手の会社にその能力があるかどうか、よく調べる必要があります。
シミュレーションほど発電しない
土地付き分譲風力発電でも物件ごとに想定利回りという数字があると思います。これを信じて購入すると思ったより発電しないということもあります。では何故そのようなことが起きるのでしょうか?
ほとんどの場合、風車の問題ではなく、原因は利回りシミュレーションの算出方法にあります。つまり、シミュレーションの根拠となる風速が実際よりも過剰に高く算出されている場合がほとんどです。
例えば、NEDOの風況マップで年平均7m/sとか年平均6m/sとかの場所であっても、この数値は、地上30mにおける平均風速です。これらを風速は実際に建てる風車の高さの風速とは異なります。また、あくまでも何も障害物がない場合の数値です。木が一本でもあると風の流れが変わり、風速が落ちます。これらによって、風速が少しでも落ちると発電量は極端に少なくなります。風速3m/s以下の場合は、ほとんど発電しません。これは、風車の性能としては正常な場合です。
また、太陽光発電よりも毎年のメンテナンス費用などのランニングコストがかかりますので、表面利回りだけで収支計算していると、支出のほうが多くなる場合もあるので注意が必要です。
そもそも建てられない場所だった
そもそも風力発電を建てられない場所を分譲している場合です。例えば、青森県のいくつかの市では、風力発電の設置のガイドラインが設けられていて、「半径何百メートル以内に民家がないこと」という決まりがあります。これは、騒音の問題があるからです。建てられなくなったからといっても、払ってしまったお金は戻ってこないでしょう。購入の前には、その場所の周りに民家がなく反対している人などいないかご自分で調べておくことが良いでしょう。