小形風力発電を事業として行おうとした場合、計画から事業連系するまでには、1~2年かかります。
まず、電力会社へ申請を行いますが、接続の負担金が出るまで、地域や時期によっても異なりますが、長い場合だと1年くらい待たされます。
発電事業者は、同時に金融機関へ融資の交渉を行っておくのが一般的ですが、融資のOKが出ても電力会社からのOKの方が時間がかかります。
さて、以上がクリアできたとしましょう。そこから、風力発電機を発注すると製作に半年から一年くらいかかっています。
それによって、連系までに長いと2年くらいかかるのです。なぜ、そんなにかかるのでしょうか?
工場製作
風力発電のタービン「CF20JAPAN」は、アイルランドにあるC&F Green Energy本社で製作されています。驚くのは、この工場でコイルから作っていることです。これが風のチカラで回転することによって電気を生み出す単位です。
そうしてできたコイルの束がこれです。
この束をナセル(風力発電機の原動機)に収まるように、輪の形に収めます。
そして、その輪の形になったコイルがナセルに組み込まれていきます。
以上のように手作業でやっていきますから、一度に製作できるタービンの数が限られるのです。
材料の輸入と供給
以上のように、丁寧な製作には時間がかかりますから、風力発電をすぐに建てたいと思ってもそれから発注しては、すぐには間に合いません。
では実際には、どのように日本の現場に供給されるのでしょうか?
C&F Green Energy社のアイルランドの工場で製作されたタービンは、日本へ船で運ばれて八戸港に到着します。そこから青森県にある青森タービンサービスの倉庫に運搬されます。その青森県にある倉庫に大量に材料が保管されていて、注文があれば、そこから現場へ直接搬入し、組み立てられるのです。こうすることで、計画から連系して売電が開始するまでの時間を短縮しています。
風力発電の工事は、基礎の工事からスタートし、約一ヶ月で完成します。基礎工事に必要なタワーの土台もストックしてあります。
その他、細かいパーツまで、青森タービンサービスの倉庫に保管されているので、急に必要になった場合でもすぐに供給することができるのです。こうしてメーカーから直輸入しているので国内最安値で供給できるのです。